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注文住宅に関わる税金について
注文住宅を購入するときには、さまざまな税金が課せられます。土地や建物の金額だけを考えていると、現金が手元にないという事態になってしまうため、どのような税金を支払う必要があるのか把握しておきましょう。さらに、減税対策についても紹介します。
購入時にかかる税金
住宅を買う時にかかる税金について説明します。これらは現金が必要なこともあるため、住宅を建てる予算の中に組み込んでおきましょう。
消費税
注文住宅を建てる場合、土地には消費税はかかりません。建物のみに消費税10%がかかりますが、元の金額が大きいため消費税も大きな金額になります。 建物のみのお金しか考えていないと、後で困ることになるため、計算に入れることを忘れないようにしましょう。
登録免許税
不動産を購入した時には、法務局の登記簿に土地や建物の所有権を記録して公示するための手続きが必要になります。この登記手続きの際に収めるのが登録免許税で、税額は土地や建物の「固定資産税評価額」に税率をかけて計算します。
住宅用家屋を新築した所有権保存登記は0.4%なので、評価額に税率をかけて計算しましょう。
印紙税
印紙税とは、経済取引などの際、契約書や領収書などの文書に課税される税金のことです。 不動産を購入した場合、契約金に記載されている金額によって以下のように金額が決められています。
- 500〜1,000万円:1万円
- 5,000万円以下:2万円
- 1億円以下:6万円
- 5億円以下:10万円
住宅ローンで購入した場合には、売買契約と住宅ローン契約にそれぞれ印紙税がかかります。
不動産所得税
土地や建物を購入したり、新築や増改築したりして取得した場合にかかる税金が、不動産所得税です。 不動産所得税の標準税率は4%となり、課税標準額に4%をかけたものが不動産所得税となります。
課税標準額とは、各都道府県の固定資産税台帳に表示されている価格のこと。不動産の購入価格とは異なるので注意しましょう。
不動産所得税の軽減措置
不動産所得税にはさまざまな軽減措置があります。新築の住宅を建築した場合は、床面積50〜240㎡なら住宅価格から1,200万円が控除となります。 控除額は各自治体で異なることもあるので、税金を納める都道府県で確認してください。
贈与税
住宅を建てる場合に、両親から資金的援助を受けることがあります。通常、1年間に110万円以上の生前贈与には税金がかかり、税率は最高で55%にもなります。 しかし、住宅購入に限り700万円までの贈与が非課税となる特例があります。住宅が長期優良住宅であれば1,200万円まで非課税となります。
ただし、特例を受けるためには条件があります。主な条件は以下の通り。
- 贈与者の直系卑属であること(実子の配偶者には適用されない)
- 日本国内の物件であること
- 登記上の面積が50㎡以上240㎡以下であること
- 床面積の半分以上が居住に用いられること
これらの条件を満たしていたとしても、贈与額の申請はしなければいけません。資金調達の特例においてトラブルとなってしまいますので、両親から資金援助を受けた場合には必ず申請するようにしてください。
購入後にかかる税金
土地・建物を購入した後にかかってくる税金もあります。どのようなものがあるか確認しましょう。
固定資産税
土地や家屋は「固定資産」とされ、土地や家の購入後に所有する不動産に対してかかる税金です。不動産の所在地である市町村に納め、毎年納税通知書が届きます。 固定資産税の額は、「不動産の評価額×1.4%(標準税率)」ですから、毎年の支出として計算に入れておきましょう。ただし、不動産の評価額は3年ごとに見直しがあり、一般的に建物の税額は減っていきます。
また納税義務があるのは「1月1日現在の所有者」であるため、家を購入する時期も考慮すると税金対策になるでしょう。
都市計画税
都市計画税は、市町村(東京23区は都)が都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的とした税金のこと。「市街化区域内」に土地や家を所有している人に毎年課税される地方税で、固定資産税と一緒に納付書が送られてきます。
ここで問題なのが「市街化区域内」に自分の土地や家があるかということです。市街化区域とは、都市計画法によって「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街地かを図るべき区域」と定義されています。
新しく土地を購入して住宅を建てる場合は、すでに市街地になっている区域か、10年以内に市街地にする計画がある区域だと、都市計画税が課税されることになります。
土地や建物を購入する際には、買おうとしている場所は市街化区域であるかどうかを確認しておきましょう。自治体の窓口か不動産業者にたずねるとわかります。
知っておくべき減税制度
マイホームの購入には、たくさんの税金がかかってきます。少しでも減税するために、どのような減税制度があるのか知っておきましょう。
住宅ローン控除
2019年に消費税が10%へ引き上げられたことで設けられた減税対策です。一定要件を満たせば、毎年の住宅ローン残高(上限4,000万)の1%を、10〜13年間所得税から控除されます。
新築住宅購入の場合には、以下の条件を満たす必要があります。
- 住宅の引渡しから6ヶ月以内に居住すること
- 控除を受ける都市の合計所得金額が3,000万円以下
- 対象住宅の床面出来が50㎡以上、1/2が自身の居住用
- 対象住宅に10年以上のローンがある
- 居住用にした年とその前後2年ずつの5年間に居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税特定を受けていない
すまい給付金
こちらも消費税引き上げに対する制度で、最大50万円の現金給付を受けられます。住宅ローン控除で条件を満たさない人などにも適用されやすくなっています。 給付申請書を作成して提出する必要があり、給付が受けられるのは2021年12月まで(一部2022年12月まで)となっています。
贈与税非課税措置
直系尊属(両親や祖父母)から住宅の新築などを目的として贈与された場合、最大3,000万円まで非課税になる措置です。2021年12月31日までの措置なので注意してください。
投資型減税
長期優良住宅や、低酸素住宅を購入する際、住宅ローンを組んでいなくても所得税が控除される制度です。家の性能を上げるために、通常の住宅よりも費用が多くかかった分の10%が所得税から控除されます。住宅ローン控除との併用はできないので注意しましょう。